契約書のペーパーレス化でコロナ時代の業務の効率化を!

契約書のペーパーレス化でコロナ時代の業務の効率化を!

契約書のペーパーレス化でコロナ時代の業務の効率化を!

近年、会社や役所の業務における「ペーパーレス化」や「脱ハンコ化」が推し進められ、特にこのコロナ禍の時代においては、こうした動きはますます加速化されつつあります。今回は、そうしたペーパーレス化の代表格である、「電子契約」についてお話します。

電子契約とは?

「電子契約」とは、「電子ファイルをインターネット上で交換して電子署名を施すことで契約を締結し、企業のサーバーやクラウドストレージなどに電子データを保管しておく方式」による契約を言います。

これまでの契約は、紙媒体の契約書を作成し、お互いの署名押印して取り交わす方法が一般的でした。

しかし21世紀になってから、「電子署名法」や「電子帳簿保存法」といった電子契約に関する一連の法律が制定され、電子署名やクラウドストレージ等の技術的開発も進み、電子契約を導入しやすい環境が整備されたことから、この電子契約による契約が大きく広まりつつあります。

昨今のコロナ禍においては、実際に人が集まっての作業や会合をいかに減らすかが極めて重要になってきており、ますますこの電子契約の重要性が高まりつつあります。

電子契約のメリット

コストの削減

紙の契約書で契約締結する際には、契約の金額に応じた印紙税がかかり、たとえば、「3千万円を超え5千万円以下は1万円」などの印紙税がかかり、契約書の印刷費用や郵送代等もかかります。

電子契約にすれば、これらの費用が不要となるため、大幅なコスト削減を実現できます。

業務の効率化

紙の契約書の場合、契約書を作成するためのデータ入力に始まり、印刷、製本、押印、印紙の購入・添付、郵送の準備・送付などの物理的な作業が必要ですが、電子契約の場合はパソコン一つで事足りるため、業務の効率化が図られます。

保管場所の削減

紙の契約書の場合、それらを保管しておくスペースが必要ですが、電子契約の場合、自社のサーバー内、もしくは電子契約サービス会社を活用した場合は社外の安全なクラウドサービスなどに保管することができるため、物理的な保管場所が不要になります。

法律的に大丈夫なの?

このように非常に便利な「電子契約」ですが、気になるのが、「きちんとした書面を作らないのに、法律的に大丈夫なのか?」という点です。

  • 実を言うと、契約というのは、多くの場合、「当事者間の合意のみ」によって成立し、紙の契約書にしろ、電子契約書にしろ、何らかの契約書が必要というわけではありません(ただし、保証契約(民法446条2項)のように、法律上「書面」が要求されている場合を除く)。
    例えばコンビニやスーパーで物を買う時、いちいち契約書を交わさなくても売買契約が成立し、物の売り買いができていますよね。
    このように、口頭での合意があれば契約書がなくても契約自体は成立することになります。
  • では、なぜ「契約書」を作るかというと、例えば、あとになって契約の相手から「そんな契約をした覚えはない」とか、「契約はしたけど、そちらの言うような内容ではない」などと言われて争いになった場合、口頭だけの契約だと、何も証明する手段がありません。
    そのような場合に、「ほら、この契約書の通り契約したでしょ」と証明する手段として契約書が必要になるのです。
    つまり、「契約書が無くても契約は有効に成立するけど、いざという時の証明手段として契約書という形に残しておく」というイメージです。
  • ということは、「電子契約」による契約であっても、それがきちんと「契約の存在や内容を証明するもの」であれば、十分に「契約書」の役目を果たすことができるのです。
  • このように、電子契約による契約も法律上きちんと認められていますが、定期建物賃貸借契約、定期借地契約等、なかには電子文書によっては法的効力が認められず、従来通り紙の契約書の作成が義務付けられている者も存在するので注意が必要です。

電子署名には気をつけて

以上のように、一部例外があるものの、電子契約も法律上きちんと認められているものですが、上記のように、いざという時には契約の存在と内容を証明するものではなくてはなりません。

この点、通常の紙の契約書には、その紙に直接署名や押印がなされ、このような押印や直筆の署名によって文書の真正(正当性)を証明することになります。

しかし、電子書類には押印やサインができません。

そこで電子署名という証明方法が登場しました。「電子署名」とは、電子契約等の電子文書に対して当事者間で、当該文書の内容に合意し当該電子文書を締結する旨の意思表示を電子的に安全に記録する仕組みや技術をいいます。

こうした電子署名によって、電子文書が署名者(文書作成者)本人によって作成され、かつ第三者に改ざんされていないことを証明するのです。

この電子署名は、それこそ電子契約を扱うツールやソフトによって様々な種類や技術上の仕組みがありますが、いずれも電子データ上のやり取りによってのみ文書の真正を証明しようとするものです。

中には、「それじゃあ、完璧に証明できているとは言えないのでは?」という疑問が生じるようもあります。

なので、いざ電子契約を利用して契約締結しようとする際は、「どのような仕組みで電子文書が署名者(文書作成者)本人によって作成され、かつ第三者に改ざんされていないことを証明されているのか」といった点に十分気を付ける必要があります。

その他の電子契約の問題点

  • 電子契約は電子データ上のやり取りによってなされるものである以上、電子データを管理しているサーバがサイバー攻撃等を受け、データが改ざん・盗難されるリスクがありますので、導入するシステムのセキュリティ対策は十分に確認する必要があります。
  • また、電子契約という新たな業務を取り入れることになるので、導入後の社内の業務フローを再構築する必要があります。

必要なら弁護士に事前に相談を

以上のように、電子契約はとても大きなメリットを有する反面、いざ契約をめぐる紛争となった時に証明手段となりうるかを事前に検討し、またそれに絡めて、電子契約におけるセキュリティ対策や社内の業務体制にも十分気を付ける必要があります。

特に前者においては、法律的な観点からの検討が重要になってきますので、必要があれば契約を締結する前に弁護士に相談するなどして将来の紛争を予防しておくことが重要です。

ペーパーレス化やハンコレス化の波により、今後ますます電子契約が世の中に大きく広まっていくと予想されますので、御社のより一層の発展のため、是非ともこの電子契約をうまく活用していただければ幸いです。

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